民間から政治の世界へ 官民のズレを感じた議員一年目
街づくり、そんなに時間かかるの?
街づくりというのは失敗が許されず、物理的にも工事などがあるため多くの時間を要するのは理解できます。
ただそれを鑑みても時間をかけすぎでは?と思ってしまいます。
市民の方からも、「いつできるのか?」といった質問を、ジャンルを問わず投げかけられます。
例えば新京成線の高架工事は、元々平成22年完了の予定でしたが約10年も延長しています。加えて、それだけ延長し時間があったにもかかわらず、駅前広場は計画すら完成していません。
その他、道路についても、計画はあっても実行されないことが多くあります。
新鎌ケ谷の南側に、市が「優先的に工事が必要」として10 年間で完成を目指している道路がありますが、6年が経った段階で、土地取得率は11%です。単純計算でいけば60 年かかってしまうことになります…。計画を延長することに対しての緊迫感が感じられません。
これらの事象を民間の企業で考えてみましょう。
ある土地を買収し、マンションを建て、販売することで利益を得ようとする建設会社があったとします。
5年で建設を終える計画を立てれば、それを守らなければなりません。
なぜなら計画を延長するたびに、工事費は増え、販売も先延ばしになり利益は上がらず、結果的に会社が潰れてしまうからです。
新京成の高架にしても道路にしても、目標としていた年数がどんどん延長されます。市は潰れはしませんが、民間企業と同様、計画延長の度にかかる税金は増え、市民が受けられる利益が先延ばしにされるわけです。
事業が進まないことに様々な要因があるのは分かります。
頑張っているのも分かります。
どうにもしがたい問題もあるのでしょう。
しかし求められるのは結果です。
目標を達成できない営業マンが「いや!でも頑張っていますから!」といっても評価されないことと一緒です。結果が伴わなければ、批判を真摯に受け止めながら進んでいかなければならないと思います。
魅力発信の施策…遅れてる?
現在、人口低下が続く中、どれだけの人に鎌ケ谷に住んでもらえるかは、市の税収に直結します。他の自治体も同様に考えるので、自治体間競争は激しくなり、魅力発信やプロモーション戦略は、その重要度を増しています。
私は議員になる前に広告代理店で働いていたのでより強く感じてしまうのですが、鎌ケ谷市の施策は遅れていると思います。
例えば、市では「魅力発信アドバイザー」を外部から年間約200 万円で雇い入れていますが、その方は元新聞記者で、主な仕事としてHP に「鎌ケ谷の魅力再発見」という記事を書いています。
「鎌ケ谷を知らない人に街をアピールするため」と市の出した答えはHP への記事投稿です。
ではそこで質問ですが、鎌ケ谷を知らない人がどうやってその記事に辿り着くのでしょうか。鎌ケ谷を知らないのですから、当然HP に辿り着くはずもありません。そこにいくら良質な記事を掲載したところで効果はないのです。
まず必要なのは鎌ケ谷という名前を知ってもらうことのはずです。
外部から人を雇って仕事をしてもらうのであれば、知名度を上げることに能力を持つ人材、つまりマーケティングや広告分野の人材を探すべきです。
実際に流山市では、民間からマーケティング経験のある女性を登用しました。そして、「母になるなら流山」のキャッチコピーで、子育て世代にターゲットを絞り、知名度向上を図りました。その結果、5年間で1万人以上の人口増加を実現。さらに人口ボリュームゾーンが「60 ~ 64 歳」から「35 ~ 39 歳」に移行し、市の若返りも達成しています。
このように鎌ケ谷も自治体間競争を勝ち抜いていくために、プロの目線で広報戦略を構築すべきと考えています。
鎌ケ谷にはそれだけの魅力があると、私は思っています。
今回は魅力発信アドバイザーに触れましたが、あくまでも市の魅力発信の「戦略」に提言するものであり、「鎌ケ谷の魅力再発見」の記事や、アドバイザー個人を否定するものではありません。
ちょっとこぼれ話 いまだにFAXしか認めない?
上記のこと以外に、民間よりも「古いなー」と感じてしまうことがあります。
象徴的なのが、議員への連絡に採用されている「FAX」です。
紙代・インク代がかかりますし、なによりリアルタイムで受け取れない。
昨今の新型コロナに関する情報などは一刻も早く受け取り、市民の皆様にも発信したいのですが、それが叶わない。
私は3度にわたってメールへの変更を要望しましたが、受け入れてもらえません。FAX を使うのはいいですが、メールがダメというのはあまりに時代遅れだと感じざるをえません。
こういった部分から変えていかなければ、古いイメージは払しょくできないのでは?